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収蔵庫内の消防設備

収蔵庫の消防設備としては、以下のようなものが良いとされています。

1.防火扉

収蔵庫内に設置する防火扉は、火災の際に燃え広がるのを防止するために重要な役割を果たします。また、煙や熱を遮断する効果があります。

2.火災検知器および報知機

火災が発生した場合、できるだけ早く検知して消防当局に通報することが大切です。火災検知器や報知機を設置することで、迅速な対応が可能になります。

3.消火器

収蔵庫内には、火災に対応できる消火器を備えておくことが重要です。適切な消火器の種類や数を確保し、適切な場所に設置することが求められます。

4.自動火災報知設備

消火スプリンクラーや煙・火災検知機を設置し、自動的に火災を検知・通報し、自動消火する仕組みを備えた設備です。重要な資料や美術品など貴重なコレクションを収蔵する場合には、自動火災報知設備の設置を検討することが望ましいでしょう。

ハロン消化設備は、消火剤としてハロンガスを用いる自動火災消火システムです。ハロンガスは、酸素を消費することで燃焼反応を抑制します。

収蔵庫においては、貴重品や重要な文書などを保管しているため、消火剤の使用に伴うダメージを最小限に抑える必要があります。ハロン消化設備は、消火剤がガスとなって拡散するため、物品に残留物が残らず、電子機器などへのダメージも少ないとされています。

ただし、ハロンガスはオゾン層破壊物質に指定されており、環境への影響が懸念されています。そのため、現在は代替の消火剤が用いられていることが多いです。

ハロンガスは、環境への影響や人体への健康被害の懸念があるため、現在では代替となる消火剤が開発・使用されています。

例えば、代替として使われているのは、炭酸ガス、Novec1230、FM200などです。炭酸ガスは、大量の酸素が必要な火災では有効ですが、欠点としては、冷却効果があまりないことや、有毒性があることが挙げられます。Novec1230やFM200は、ハロンガスよりも環境への影響が少なく、人体に対する影響も少ないとされています。

Novec 1230は、環境への影響が少なく、人体に対する健康被害の心配もありません。また、蒸発性が低く、空気中で長時間残留するため、再着火リスクが低くなります。さらに、電子機器や書類、美術品などの希少品を保護することができます。

一方、FM200は、酸素濃度を下げることなく、燃焼反応を止めることができます。また、消火効果が速く、使用後の復旧作業が容易であるため、設置場所の制約が少なく、様々な用途をカバーできます。

両者とも、ハロンガス同様、自動火災消火システムとして広く使用されています。ただし、設置にあたっては、各消火剤の特性や使用場所に応じた設計が必要です。

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